今月のおすすめ本です。
60歳になって、独立系生保の、ライフネット生命を作った出口さんの本
考え方というより、出口さんの自伝みたいな感じでまとまっているので、説教臭くなく、読みやすい。
この人は、歴史、教養にも造形が深く、参考にしています。
前・世界銀行副総裁の西水さんの、仕事中の体験を綴った本。
国連難民高等弁務官 緒方貞子と同じように、壮絶な体験をしており、驚かされる。
こういう、世界を変える仕事には、思いのある女性の方が向いているのかもしれない。
本書の一番最初に出てくるのは、トロッコ問題です。
暴走したトロッコの先には5人の作業員がおり、線路を切り替えれば1人の作業員がいる。このときあなたは線路を切り替えますか?
といった、回答のない問題が次々出てきます。聞きながら考えると、頭がぐるぐる回転するのがわかります。
フェルミ推定(シカゴのピアノ調律師の数を当てる思考問題など)や、経営分析の問題と回答例が乗っている。頭の体操として面白い。
自分のアイディアが、回答編で否定されると、ムキになってしまう。
思考問題が続きます。
インバスケット思考とは、この本の事例だと以下のようなもの。これも頭をフル回転して考えてしまう。ストーリーも面白く、気がついたら、6時間、倍速でも3時間の本が終わってしまった。
「洋菓子店に勤務する23歳の青山みあは、
ある日突然、店長の辞令を言い渡された。
翌日からの海外研修を前に、60分という時間制限のなかで、
未知の20案件を処理しなくてはならない窮地に陥った。」
管理職のトレーニングとしては最高だと思う。私も、研修で1回だけやった記憶がある。管理職でなくても、日常生活でも、必要だと思う。
人は、定住することで、病気になったり、会社に縛られてうつになったり、いろいろ悪いことになった。という大胆な説から始まる。
けど、ある意味本当かもしれない。
今は、会社勤めしなくても生きていける世の中になりつつある。住む場所を固定しないことで、いろいろチャレンジできることは確かだと思わされる。
夢のあるアニメーション会社の、夢のないお金、株式上場の話。そのギャップが面白い。株式上場の難しさ、タイミング、戦略など、知らなかった舞台裏が面白い。
全体で11時間とちょっと長いが、ジョブズとのやり取りが面白く、ジョブスファンは必読。
有名大学の学生でありながら、風俗に勤めたりという現実が辛い。
女性の貧困をメインで書いているが、若者の貧困がテーマであると感じた。
以下の事実を知らされた。
・現在は、昔のように、真面目に勤めていれば、安泰な時代ではない。中年は、自分の昔の自分の基準、価値観、世界観で、今の若者の苦しみを判断すべきでない。
・大学生の半数以上が、返却義務のある奨学金を使っている。
・誰でも大学に行くのが当たり前になり、無理して行くことで、無理が生じている。制度がついていっていない。
・そもそも、若者から搾取する今の社会構造を作ったのは、現在の中年以上の世代。自分の世代さえ良ければよいとの判断。
・(別の本だったが、)大人は、同年代の格差は強硬に反対するのに、世代間の格差=若者と大人の格差、を容易に作ってしまった。
聖書の事を全く知らない、自分にとっては、ざっくり聞けてよかった。
各聖人のキャラ紹介が面白い。
キリスト教のことを知りたかったら、一番はじめに読んでもいいかも。
男子トイレの小便器にハエのマークを付けるだけで、はみ出しが激減した。入れると、面白い音のするゴミ箱を設置すると、周りのゴミが一気に減った。みたいな「仕掛け」の事をまとめている。
いろんな事例が面白く、少しの体系化もされているが、2時間と短めで、もっと聞きたくなる。続編を知りたい。
硬そうな表紙だが、事例が20数件あり、聞きやすい。
デンソー、ヤマト運輸、良品計画など「6つのケース」、マザーハウス、コープさっぽろなど「15のミニ事例」 盛り沢山である。
これらを聞くだけで、満足してしまい、自分の改善はおろそかになってしまいがちだが。
もっとポップな表紙にしたら、売れるのになと、よけいな心配してしまう。